2021.02.06更新
保育士は正社員になれば安定するでしょうか?
または、公務員の保育士になれば安定するのでしょうか?
私はどちらも必ず安定するとは言えないと思います。
一般的に公務員の保育士になれば安定すると思っている方もいるようですが、労働環境や人間関係の問題から辞めてしまう保育士もいます。
実際に、5年程前に子どもが通っていた公立幼稚園の男性保育教諭は、職場のいじめで公務員の保育教諭を辞めてしまいました。
このように、公務員といっても一般的な公務員と比べると職場の環境は閉鎖的で、いじめなども起きやすい環境です。
保育士は常に人手不足なので求人もあり仕事に困ることはありませんが、裏を返せば待遇や職場環境の面で働きたくないと思う方が多いからでもあります。
今回は、保育士が正社員になるメリットが少ない理由と派遣保育士について書きました。
保育士は正社員にこだわるよりも職場環境を優先したほうがいい
保育士も正社員になったほうが安定すると思っている方は多いと思います。
しかし、安定して働くには正社員で働くことや給料面だけではなく、休憩が取れる職場かや、人間関係が良いかなどの環境面も重要です。
全体的に保育士はあまり給料が良いとは言えないので、環境面を優先した方が安定して働けるかもしれません。
保育士の仕事が安定しづらい理由
- 給料が低い
- サービス残業、持ち帰りの仕事がある
- 有休が取れない
- 人間関係が悪い
- 体力的にきつく業務量が多い
- 結婚・出産後も正社員で働くのが厳しい
➀給料が低い
以前まで保育士は保母と呼ばれていて、給料も低かったようです。
保育士は、主婦業の代わりで寿退社が当たり前だったようですが、今でもその考えはあまり変わっていないようです。
このことが、給料が低い原因にもつながっているようです。
また、国から運営費として保育園に支給されている委託費を、園が保育士の人件費に適切に使っていないことも原因です。
②サービス残業、持ち帰りの仕事がある
基本給が低いうえに残業代が出ないということは、時給に換算するとパートで働くのと変わらないくらいです。
サービス残業のせいで正社員なのに最低時給くらいで働いている方もいると思います。
もちろん、業種によっては年俸制や出来高制という働き方もあるので、必ずしも会社で仕事をしなくてもいい場合もあります。
しかし、保育士の場合、仕事は持ち帰らずに保育園で仕事をして残業代をもらうのが通常の働き方だと思います。
③有休が取れない
有給休暇を取ることは労働者の権利ですが、保育園によっては取りづらい雰囲気のところもあります。
しかも、保育士の場合はパートや派遣より正社員のほうが有休休暇を取りづらいのです。
正社員の保育士に過重に負担がかかっているとも言えます。
このようなことも仕事が安定しているとは言えない要素です。
④人間関係が悪い
平成30年の保育士実態調査によると保育士の退職理由ので1番多いのが職場の人間関係で、2番目に多いのが給料が低いことだそうです。

保育士は人間関係の問題で仕事を辞めるの方が一番多いようです。
人間関係が理由で辞めたというと、我慢が足りない、つまらない理由で辞めたと言う人もいます。
しかし、人間関係が悪い職場ということはそれだけで様々な不安定要素が生まれます。
正社員ならリーダー業務があるのでとてもやりづらくなります。
人間関係が悪いとメンタル面に不調が出たり、チームワークが乱れることで仕事に支障が出ることもあります。
人間関係が良くない職場はそれだけで不安定な職場ということになります。
⑤体力的にきつく業務量が多い
30代後半にもなると体力の衰えを感じるものですが、保育士はずっと現場で働かなければなりません。
正社員の保育士は体力的にきつくなってくる方もいます。
⑥結婚・出産後も正社員で働くのは厳しい
保育士は、独身の時でさえ業務量が多く体力的にも大変なので結婚・出産後は退職したり、パートや派遣で扶養範囲内で働く方が多いです。
また、昔は寿退社が前提で、今に至るまで結婚してからも働きやすい職場になるように改善してこなかったことも正社員を続けづらい原因になっています。
これは、最近よく言われている女性の貧困にもつながる問題です。
結婚・出産後にも正社員で続けられないなら初めから安定などしていない仕事だと思います。
以上のことが保育士が正社員になっても安定しない理由です。
最近は保育士を非正規で働ける仕事にする流れがある
保育園ではパートや派遣の保育士が多く働いています。
しかし、これは正社員の保育士の仕事量が多くなってしまう原因でもあります。
結婚後も正社員の保育士として働きたい方もいると思っていても、やっぱり大変なのでパートなどの非正規で働く方は多いです。
理由として業務量の多さや体力的なきついなどがあります。
もし、職場で正社員の保育士が7割くらいで、パートや派遣の保育士が3割くらいのバランスだったら業務を分担することができるので今ほど過酷な仕事にはならないはずです。
しかし、国の流れは逆の方の向かっているようです。
最近では、全ての業務をパートや派遣保育士(非正規)で回せるように緩和させようとしています。
正社員の保育士を増やすためにはお金が必要ですが、全ての業務をパートや派遣保育士にすることで逆にお金を使おうとしていないことが分かります。
このような流れですので正社員の保育士の負担は減らないと思います。
派遣保育士の働き方
派遣で働くことは不安定だと思う方もいると思います。
しかし、保育士は若い方でも派遣で働いてる方もいます。
また、派遣保育士は事務職の派遣と比べるとかなり需要があります。
派遣保育と正社員・パート保育士の違い
派遣社員 | 正社員・パート | |
雇用主 | 派遣会社 | 保育園 |
給与支払い | 派遣会社 | 保育園 |
社会保険・福利厚生 | 派遣会社の規定に従う | 保育園の規定に従う |
雇用期間 | 有期雇用 (同じ職場なら3年まで) |
正社員(無期雇用) パート(有期雇用) |
現場での指揮・命令 | 保育園 | 保育園 |
- 時給はパートより高く残業もないのでホワイトな働き方ができる
- 週3日、一日5時間など勤務条件を選べる
- 残業があっても残業代が出る
- 有給休暇が取れる
- 社会保険・福利厚生がある
- わずらわしい人間関係から距離を取ることができる
- ボーナスは出ない
- 雇用期間がある
- 職員としてカウントされず保護者対応はさせてもらえない保育園もある
派遣保育士は派遣事務職より派遣切りの心配が少ない
派遣は不安定だからやっぱり正社員になったほうがいいと思う方もいるとは思います。
また派遣切りが心配という方もいるかもしれません。
しかし、保育士と事務職では派遣を雇う理由が違います。
保育士と事務職では派遣を雇う理由が違う
- 保育士⇒正社員を募集しても集まらないという理由で派遣を雇うことが多い
- 事務職など⇒人が足りているので派遣として雇えばいつでも切ることができるという理由で派遣を雇うことが多い
そのため、事務職のように派遣切りに怯えることもほとんどないですし、仮に切られてもすぐに他の職場が見つかると思います。
緊急事態で派遣保育士が切られることもあったようですが、保育不足は続いているのですぐに需要がなくなるということはないです。
保育士は事務職などと違い、正社員と比べて給料が雲泥の差になることはありません。
遅刻が多い、無断欠勤をしたなどの場合はどんな職種でも派遣切りの対象になってしまうと思います。
どうしても合わない職場は契約を更新しなくてもいい
派遣で働く場合、最初は2ヵ月から契約などとなっていますので働いてみて合わない時は、規約を更新しなければ別の職場を探してもらうこともできます。
実際に働いてみたら人間関係がこじれていて、仕事が回っていない状態だったということもあるようです。
保育の職場は働いてみないと分からないことも多いのですが、派遣は身軽なのでブラックな職場から逃げることもできます。
持ち帰りの仕事や残業はない
これは正社員より恵まれていると思います。
保育士の正社員は、”定額使い放題”のような扱われ方をされることが多いのですが、その点派遣保育士は派遣会社から守られているのでそのような心配はありません。
派遣会社と保育園で派遣保育士には残業させない契約をしています。
もし残業があった場合でも残業代が出ます。
終わりに
今の時代で正社員が安定しているのは一部の会社などに限られるかもしれません。
保育や介護の仕事は正社員でも離職率が高いので安定しているとは言えません。
保育士の場合、人手不足により派遣で働くことは若い方でもメリットが多いと思います。
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