保育士の資格を活かしたいけれど保育園は大変そうだし、保育園以外で職場を探している方もいると思います。
そんな方のために今回は児童発達支援と放課後デイサービスについて書きました。
私は、2年前まで児童発達支施設と放課後デイサービスが同じ建物内にある職場で働いていました。
そこでは保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の資格を持っている方、異業種から転職して来た方など様々な方が働いていました。
児童発達支援施設は障害や発達に特性のある未就学児が通う福祉サービスで、放課後デイサービスは障害や発達に特性のある就学児が通う福祉サービスです。
児童発達支援とは「児童発達支援センターと児童発達支援施設がある」
児童発達支援センター
障害を持つ子どもや、その保護者へのアドバイスをしたり、その子どもを預かる保育園へ定期的に行って様子を見ます。
そして、今後のことを保育士と話し合ったり、児童発達支援施設に通っていない子どものケアも行う施設です。
児童発達支援施設
児童発達支援センターは地域の中心となる障害児の専門施設なのでたくさんあるわけではありませんが、児童発達支援施設は通いやすいようにたくさんあります。
児童発達支援施設とは未就学児のためのサービスで児童発達支援センターに通っているお子さんや、普段は保育園や幼稚園に通っているお子さんが週に数回利用しています。
また、保育園や幼稚園の代わりとして毎日利用しているお子さんもいます。
利用者は、療育手帳や身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っているお子さんです。
また、手帳などを持っていなくても障害児通所給付費支給申請を専門家の意見書などと一緒に提出し、児童発達支援利用の必要が認められたお子さんも利用しています。
利用には各自治体から交付される「受給者証」が必要です。
求人が多いのは児童発達支援施設
児童発達支援施設の4つの職種
①職員や業務の管理を行う⇒「管理者」
②支援計画の立案など、中心となって療育を進めていく⇒「児童発達支援管理責任者」
(一定の実務経験と児童発達支援管理責任者研修及び相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了が必要)
③実践的な支援を行う⇒「指導員または保育士」⇐保育士はここ!
④機能訓練を行う場合に配置される⇒「機能訓練担当職員」(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員)
児童発達支援施設で保育士がする具体的な仕事と流れ
①朝8時頃 お子さんの自宅まで車でお迎え、調理担当になっている人は昼食やおやつ作りスタート
②到着したら荷物を一人でロッカーに入れられるように見守る、その後トイレ の補助や手洗いの声掛け、おむつ替え
③自由遊び(他のお子さんを叩いたり、押したりするお子さんには一対一で関わり、全く遊ばないお子さんには遊び方を提案して補助します。)
④朝の会、発達支援のための体操や遊び(きちんと座って参加できるように促す、多動のお子さんや自傷の行為のあるお子さんには一対一で対応する。)
⑤お散歩(手をつないでいても離そうとしたり、叩いてくるお子さんもいるので注意が必要です。)
⑥昼食(食事中に立ち歩いて席に戻らないお子さんもいるので、きちんと座って食べられるように促します。)
⑦お昼寝
⑧おやつ
⑨発達支援のための個別機能訓練や自由遊び
⑩帰りの会
⑪お子さんの自宅まで送る
児童発達支援施設を利用するお子さんは保育園や幼稚園と交互に利用している場合が多く、朝から来て夕方には帰るお子さんが多いです。
行事はほとんどありませんが、それぞれのお子さんに合った援助をし、日常生活でできることを増やす手助けをします。
放課後デイサービスとは
放課後デイサービスは発達に障害のある就学児のためのサービスで学校の放課後や夏休みなど長期の休みに利用され、障害児の学童保育のような役割をしています。
対象年齢は、6歳から18歳までで障害手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの手帳を持っているお子さんや、発達の特性について医師の診断書があるお子さんです。
利用には各自治体から交付される「受給者証」が必要です。
放課後デイサービスの4つの職種
①職員や業務の管理を行う⇒「管理者」(特別な資格は不要)
②支援計画の立案など、中心となって療育を進めていく⇒「児童発達支援管理責任者」(一定の実務経験と児童発達支援管理責任者研修及び相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了が必要)
③実践的な支援を行う⇒「児童指導員または保育士」⇐保育士はここ!
④機能訓練を行う場合に配置される⇒「機能訓練担当職員」(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員)
児童指導員の資格がなくても保育士資格があればOK
2017年4月の基準見直しで、放課後等デイサービスの職員は児童指導員または、保育士、障害福祉サービスに2年以上従事した経験の職員が必要で、その半数は児童指導員または保育士ということになりました。
(以前は「相談員」として資格や経験を問わず、放課後等デイサービスで働くことができました。)
放課後デイサービスで保育士がする具体的な仕事と流れ
①15時頃 お子さんの学校まで車でお迎え
②到着したら荷物を一人でロッカーに入れられるように見守る、その後トイレの補助や手洗いの声掛け
③出席をとる(出席をとるときに立ち歩いたり、おしゃべりが止まらないお子さんもいるので注意したり、何をする時間か説明をする。)
④おやつ(みんなで作る時もあります。)
⑤宿題、課題のプリントの補助
⑥個別の機能訓練や自由時間(急にケンカになることもあるのでの仲裁をしたり、遊ばないで部屋中を歩いたり、グルグル回っていたりして落ち着きのないお子さんに声を掛けて、できそうなことを一緒にする。)
⑥帰りの会
⑦お子さんの自宅まで送る
放課後デイサービスを利用しているお子さんは、平日は学校や支援学校に通っているので朝から利用することはほとんどないです。
小学生から高校生までが同じ部屋にいるので一緒に遊ぶことが難しいことも多く、あまりしゃべらないお子さんも多いので、それぞれの子どもに合った声掛けをして積極的に関わったほうがいいです。
しかし、嫌なことがあると頑なになってしまうお子さんも多いので慎重な対応が必要です。
保育園との違い
車での送迎業務と調理がある
児童発達支援施設と放課後デイサービスは車での送迎業務と調理があります。
これは保育園にはない仕事です。
ちなみに車のタイプはワンボックスカーと軽自動車が多かったです。
私はワンボックスカーの運転は自信がなかったので軽自動車で送迎をしていました。
車が運転できる場合は送迎を頼まれるかもしれませんが、送迎業務は強制ではないことも多いのでやりたくないと思う方は面接時に送迎業務は断っておいたほうがいいです。
車の運転には送迎専門の運転手がいたほうがいいと思うのですが、老人ホームなどと同じように職員が運転していることが多いです。
調理は、子ども達のお昼やおやつを作るためです。
調理師を配置している場合もありますが、いない場合は当番制で調理をします。
普段の活動や行事について
児童発達支援施設での普段の活動や行事
毎日外に出かけるのは保育園と同じですが、長い距離を歩けない子どもや落ち着きのない子どもが多いため、車で公園に移動してから遊ぶことがほとんどです。
夏はプール遊びもあります。
子どもの人数が3、4人に対し職員も3人くらいいるので手厚い対応ができました。
室内では、季節ごとの製作、手遊び、自由遊び、歌など保育園とあまり変わらないです。
お遊戯会、運動会、遠足など大きな行事はありませんでした。
七夕の飾りつけ、流しそうめん、アニメ鑑賞会などはありました。
放課後デイサービスでの普段の活動や行事
ほとんどの子どもが学校が終わってからの利用なりますので、学校に車で迎えに行くところから始まります。
学校から来ると、まずは宿題を終わらせます。
その後、おやつの時間、自由遊びとなります。
季節ごとの製作もあります。
小学生以上なので、少し凝ったものを製作することもあります。
土日は朝から来ているので、午前中は公園に行きます。
車での送迎になります。
行事はとても少ないです。
人間関係
児童発達支援施設は未就学児を預かりますが、預かる人数が少ないので保育園ほど忙しくなくゆったりとした雰囲気でした。
また、放課後デイサービスは小学生以上を預かるので職員が手取り足取りお世話することはほとんどありません。
しかし、発達障害などの影響で情緒が不安定になている子もいるため、急に癇癪を起したり暴力を振るってくる子どもも何人かいました。
そういった子どもへの対処の仕方や考え方の違いで職員同士が対立することもありました。
人間関係は多少の行き違いはありましたが、殺伐としたものではなかったです。
休憩時間
私が働いていた児童発達支援施設兼放課後デイサービスでは、昼食を子どもと取ることはありませんでした。
また、休憩時間は1時間きっちりと別室て取ることができましたし、外での昼食も可能でした。
保育園と比べてかなり恵まれていると思いました。
年間休日
私が働いていた児童発達支援施設と放課後デイサービスは、土日、祝日も開所していました。
また、年間を通して年末年始以外はすべて開所していました。
この結果、保育士よりも休日は少ないです。
正社員として働いた場合、まとまった休みが取れないのがネックだと思います。
終わりに
保育園は行事が多く体力的にも大変ですが、児童発達支援や放課後デイサービスは一度に預かる人数に制限があり、一人一人と関わることができるので保育園よりは体と心に余裕が出ると思います。
話がなかなか理解できない子どもや、すぐに癇癪を起してしまうお子さんもいますので子どもが好きで、穏やかな対応ができる方におすすめの仕事です。
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