私は、子どもが生まれてしばらくは保育士の資格は持っていなかったのですが、子育てをしながら保育補助の仕事をしていました。
その時に正社員で働いていた保育士は独身がほとんどで、子育てをしながら働いていた保育士は1人だけでした。
他の子育て中の職員はパートで働いていました。
今回は、私が実際に子育てをしながら保育補助で働いた経験から子育てと保育士の両立について書きました。
子育てと保育士の両立は可能?
保育士として働いている独身保育士の女性で、結婚後も保育士として働く方はどれくらいいるでしょうか。
保育士は、体力的にも大変な仕事なので結婚を機に退職する人が多い職種です。
2019年の「東京都保育士実態調査」では、保育士として働いたことがある人の18.1%が退職理由を結婚と回答しています。
妊娠や出産、育児をこれに合わせると、35.7%に上ります。
子育てと保育士は両立が難しい
- 業務量が多く持ち帰りの仕事など残業が多い
- 子どもが風邪を引いた時などに交代できる職員体制がない
- 他の職員の子育てへの理解が足りない
- 配偶者や親族の支援があるかどうかに左右される
- 自分の子どものお世話がしたくなり辞めてしまう人もいる
①業務量が多く持ち帰りの仕事など残業が多い
普段から業務量が多く体力的に大変なことが多いですが、持ち帰りの仕事があることで家庭や子育てを犠牲にしながら働いている保育士もいます。
②子どもが風邪を引いた時などに交代できる職員体制がない
人手不足の職場が多いため余裕がないことが多いです。
朝、急に1人の職員が休むことになった場合はそれだけで保育が回らなくなったり、その日に計画していた保育ができなくなることもあります。
まして、正社員の保育士が休に休むことになった場合はパートの保育士に勤務時間を延長してもらったり、休日の保育士に出勤してもらうことになるかもしれません。
子どもが小学校の高学年以上になれば1人で家にいることができるようになりますが、小さなお子さんがいる方は子育てを手伝ってくれる家族がいたり、ベビーシッターを頼まないと厳しいかもしれません。
③他の職員の子育てへの理解が足りない
正社員の保育士の多くは独身の方が多く年齢層が偏った職場ですので、子育て経験がない職員が多く理解が足りないです。
園長や主任などは子育て経験をしている方もいるかもしれませんが、現場で働く保育士は若くて独身がいいと思っていることもあります。
そうなると、あまり理解を示してくれないので働きづらくなります。
④配偶者や親族の支援があるかどうかに左右される
配偶者や親族の支援があるかないかは重要です。
支援があることで保育士を続けることができている方もいます。
また、仕事が大変な割に給料の低いことがネックになって、配偶者や親族から理解されないこともあります。
給料がそれなりに高ければ支援をする気にもなりますが、低い給料ならもっと楽な仕事をしたらどうかという考えにもなるようです。
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⑤自分の子どものお世話がしたくなり辞めてしまう人もいる
他の家の子どものお世話をしているうちに、自分の子どもは自分で育てたいという気持ちが強くなることがあります。
自分の子どもの子育てができないというジレンマを感じて保育士を辞めたいと思う方もいます。
子育てと保育士を両立するためには
- 保育補助としてパートや派遣で働く
- 行事が少ない小規模の保育園に転職する
- 学童保育など保育園以外の職場も選択肢にいれてみる
保育補助としてパートや派遣で働く
私が働いていた保育補助の仕事は、無資格でもできる仕事ですので保育士の資格があるのに保育補助で働くのは嫌だと思う方もいるかもしれません。
しかし、仕事量のことを考えると保育補助は負担が少ないので心理的にも子育てに余裕が生まれると思います。
また、パートや派遣で働けば時間もきっちり決まっていることが多いので両立しやすいと思います。
行事が少ない小規模の保育園に転職する
行事が少ない園は存在します。
小規模保育園は0歳~2歳児までしか預からないことが多くできる行事が限られるので少ない傾向があります。
また、看護師さんのお子さんを預かる院内保育園も行事が少ないです。
学童保育など保育園以外の職場も選択肢にいれてみる
保育園にこだわらずに探したほが働きやすい職場に出会えることもあります。
学童保育や児童館職員のパートなどは体力的に楽なことが多いです。
子育てをしながら保育士をすることでメリットもある
仕事と子育てに相乗効果がある
子育ては自分の子どもとしか関わらないにで視野が狭くなりがちですが、保育の仕事はたくさんの子どもと関わるので視野が広くなり、新たな発見があります。
その結果、自分の子どもに対して寛容になれたり、気を付けるべき場面もよく分かるようになり、子育てに前向きになれることも多いです。
需要が多く求人がたくさんあるので職場を選べる
需要が多く保育士を募集している保育の職場は常にあるので、職場を選ぶことができます。
子育て中でも、パートや派遣で働くことができ、勤務時間は週3日、フルタイムなど選べる場合がほとんどです。
派遣保育士として働けば時給が高い
正社員とパートの保育士しか募集していない保育園もありますが、派遣保育士を取り入れている保育園も多くなってきました。
パートで働くよりも時給が高いです。
子ども相手なので楽しいことも多い
保育の仕事をしていると本当に様々な子どもがいるので、自分の子どもの子育てに役立ったり元気をもらえることも多いです。
私が保育補助の仕事をして子育てに役立ったこと
無理にトイレトレーニングをさせないほうがいい
自分の子どもが2歳だったので、まさにトイレトレーニング中でしたがいつもトイレに行く前にオムツにおしっこをしてしまい成功したことがありませんでした。
保育園で働いていて分かったことは、子どものトイレトレーニンで絶対に無理をさせないことです。
トイレが成功している子どもに共通するのは、保育士に声を掛けられながらも自分の意思でトイレに行って排尿していることです。
無理をさせると嫌な思いばかりが残って「もうトイレに行きたくない。」「ずっとオムツでいい!」というパターンに陥ります。
その結果、オムツが外れるタイミングを失ったり、トイレトレーニングの時期を遅らせなくてはならないこともあります。
その子に合った時期や、きっかけがあるのでそこを見逃さないようにすることが重要だと思いました。
お昼寝が短かったり、しない子もいる
保育園ではお昼寝の時間が決まっていて2~3時間寝るのですが、2、3歳になると午前中に外遊びをしても、お昼寝をしないで布団の中でゴロゴロしているだけの子や、寝ても30分くらいで起きてしまう子がいました。
体力が付いてきたからかもしれませんが、神経が敏感だったり、夜寝るのが早くて(19時位に寝ている)しっかり眠れているので眠くならないという子どももいました。
お昼寝は2時間は寝ないといけないと思っていたのですが、様々な子どもを見ているうちに考えが変わりました。
子どもは想像以上に大人の話を理解している
成長が早い子や遅い子はいるとは思いますが、子どもは想像以上に大人の言葉、態度、微妙なニュアンスを敏感に察知しています。
複雑な話もおおむね理解している様子の子もいました。
ただそれを言葉として出力することができないので、理解していないと思われてしまうのです。
まだ子どもだからといった対応はしないで、人格ある人間として対応することが大切だと分かりました。
家庭でも製作や季節の行事を取り入れることが増えた
保育園では、行事が毎月あり、壁飾り、季節の製作物などもたくさんしました。
その経験をそのまま家庭でも活かし、普通はあまりやらないような製作を子どもと一緒にやるようになり、毎回とても喜んで作っていました。
その後も、子どもは図工や絵を描くことが好きです。
終わりに
保育の仕事は子育てに役立つ情報をもらいながら仕事ができるので、まさに一石二鳥で私には本当に良い経験でした。
正社員の保育士と子育ての両立はかなり厳しいかもしれませんので子育て中は働き方を変えてみるのもいいと思います。
保育の職場は抱えている問題もたくさんあるのですが、仕事自体はとても楽しく、魅力ある仕事だと思っています。