2020.12.16更新
やりがいの搾取という言葉はよく聞かれますが、ブラック保育園で搾取はよく起こります。
保育園の先生は小さい頃からの夢だったり、子どもが大好きだからやり続けたいと思っている人もたくさんいます。
しかし実際に働いてみたら、思っていたイメージとギャップがあって辞めてしまう人もいます。
保育士は低賃金、サービス残業などが問題になることが多いのですが、それ以外にも経営者や職員のモラルが低いせいでブラック保育園になり搾取されることもあります。
目次
モラルの低下は搾取とブラック化の原因になる
経営者や職員のモラル低下の具体例
- 園長の私用(犬の散歩など)を頼まれる
- 園長が業務中に歯医者などの私用で出かける
- 職員が特徴のある子どもに良くないあだ名をつけて陰で呼んでいる
- 家族経営で保育士の給料は抑えているのに家族は高級車に乗って保育の職場にふさわしくない身なりで出入りしている
上記のようなことのいくつかは、私が実際に働いていた保育園でもありました。
園長の私用(犬の散歩など)を頼まれる
特に家族経営の保育園などでは、私用を頼まれることがあります。
家族経営の会社などでもあることかもしれませんが、良くないことだと思います。
特に、保育園では職員が一人抜けるだけでも子どもに目が行き届かなくなり事故につながりやすくなります。
また、予定していた保育ができないこともあります。
園長が業務中に歯医者などの私用で出かける
現場では一人でも人手がほしい時に、私用で出かける園長などがいます。
これも保育士の不満につながり、園の雰囲気が悪くなる原因です。
職員が特徴のある子どもに良くないあだ名をつけて陰で呼んでいる
保育園の中には発達障害などの診断がなくても、個性の強い子や少し変わった特徴を持った子もいます。
そういう子どもに良くないあだ名を付けたり、変わった行動をする子どもをターゲットにして常にからかう職員もいます。
こういう保育園もブラック保育園です。
こういう職員は、保育士にもいじめのようなことをします。
しかし、保護者は気付かない場合が多いです。
家族経営で保育士の給料は抑えているのに家族は高級車に乗って保育の職場にふさわしくない身なりで出入りしている
これはあからさまに不興を買う行動です。
待遇に不満を抱えている保育士が多い中、高級外車で保育園に立ち寄った経営者がいました。
ヒールの高い靴を履き、装飾品も派手な格好で保育園児用の昼食の食材を抱えてきました。
その方が帰ってからは、職員全体が白けたムードになり口数も少なくなっていました。
保育園がブラック化して起きること
ブラック保育園では、国から保育園の運営のために支給されている委託費を保育士の給料や備品購入に適切に使わないことがあります。
いったいそのお金はどこに使われるかというと、更なる利益のために新たな保育園を建てたり、保育士を募集することなどに使ってしまいます。
ブラック化した保育園で起きること
- 備品がボロボロなのに新たに購入しない
- 職員の配置がいつもぎりぎり
- タイムカードを早めに切らせて残業代を少なくさせる
- 休憩時間がほとんどない
- 正社員の給料が極端に少ない
- 園長が保育士の言動を常に監視している
上記のようなことは、保育士を疲弊させ、保育士不足を招きます。
健康・お金・時間が搾取されているかも
健康とお金と時間を失っていませんか?
ブラック保育園で働いていても自分で気付けない時もあります。
お金を頂きながら憧れていた楽しい仕事をしているのに、これ以上給料のことなんて言えないと思っている方はいませんか?
その結果、知らず知らずのうちに搾取されて健康とお金と時間を取られてしまうのです。
子どもが好きだから保育の仕事がしたいということは、健康やお金があって叶うものです。
もし、給料がずっと少ないままなら世間並みの生活は一生できないかもしれません。
保育士は、「健康・お金・時間は大切なもの」という考えをもっと示してもいいのではないかと思います。
ブラック園は長時間労働と低賃金
昔はほとんどの職業で女性は寿退社が前提でした。
特に保育士や幼稚園教諭の給料は少なく、おこづかい程度だったという話を聞いたことがあります。
また、保育士は保母という子育て代わりの仕事でした。
長時間労働と低賃金でも数年働けば職員は結婚して入れ替わるので、あまり問題視されていなかったのです。
しかし、今の時代は、結婚・出産後も働きたい女性は増えているのに、保育士の賃金や労働環境は昔のままなので続けづらい環境です。
保育園は、この古い考えを引きずっていることも搾取につながっています。
また、給料が低いので男性保育士は最初から採用しないという保育園もあります。
これは、女性なら低賃金でいいという差別的な考えです。
「搾取」の意味
以前から「搾取」という言葉は色々な場面で使われていますが、実際に世間で広く使われるようになったのは2007年頃からのようです。
ウィキペディアで意味を調べてみたので載せました。
搾取(さくしゅ)とは、第一義的には動物の乳や草木、果実の汁などをしぼりとることを意味する言葉である。しかしその意味から転じて第二義的に、「性的搾取」や「中間搾取」などの慣用的な例に見られるように、他人に帰属すべき権利や利得を不正に侵害したり取得することや、優越的立場を乱用し他人を使役して不当な利益を得ることを表すためにも日常的に用いられる。一般的には、人を自分本位に、または非倫理的に利用することを言う。
出典 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

搾取に気付いたらすぐに転職する
まずは派遣で働いて様子をみるのもおすすめ
若いうちは正職の保育士として長く仕事がしたいと思うかもしれませんが、保育園は当たりはずれが多い職場なので最初は派遣保育士として様子をみることをおすすめします。
保育士の場合、派遣保育士と正社員の給料が雲泥の差になることはありません。
ボーナスは年に1ヵ月~2ヵ月分の場合も多いので、ボーナス分を節約すればほとんど変わりません。
また、6か月の派遣期間中に働きながら様子を見て良さそうな園だったら、保育園側と保育士の双方が合意した場合に改めて正社員になる紹介予定派遣というものもあります。
保育施設は実際に働いてみないと続けられる職場かどうか本当に分からないので、正社員を希望していても最初は派遣で働いたほうがいいです。
派遣保育士は基本的に残業はありませんが、あったとしても残業代は支払われます。
私が派遣保育士として働いていた時は、残業自体ありませんでした。
また、派遣で働くと仕事内容も正職のように責任のある仕事が回ってくることは少ないので精神的負担も少なくなります。
しかも派遣保育士の時給はパート保育士よりも高いです。
派遣は数か月ごとに契約更新をしながら働くので契約期間働いた後、あまり合っていないようだったら契約を更新せずに、派遣会社に別の保育園を探してもらうこともできます。
おすすめの保育士転職サイトを紹介しています。
良かったら読んでみてください。

団結して園に直接交渉したり介護・保育ユニオンに相談してみる
転職するより、保育園を改善させて働き続けたいと思う方もいると思います。
人間関係が良くない保育園では、職員同士が協力したり団結して主張することが難しい場合もあります。
しかし、数人が文句を言っていても単なる愚痴とみられるだけですが、職員同士が団結すれば愚痴に終わらず意見としてまとめることができるかもしれません。
それでも話が通じない時には労働基準監督署に報告をするべきなのですが、個人で動いても書類などを用意しなければならなかったりと難しいことが多いので、まずは介護・保育ユニオンに相談するほうが良いと思います。
最近、保育士によるストが行われた保育園もあるようです。
出典

終わりに
労働環境が良くない保育園はたくさんある思いますが、保育士同士の人間関係が良くないことで余計に改善を難しくしている場合もあります。
男性保育士や年配の保育士が入って来た時などには、排除しようとせずに温かく迎えてあげて、新しい考えを受け入れていくほうが結果として働きやすい職場になると思います。
保育業界は出入りが激しく転職する方も多いのですが、ブラック保育園と気付いた時は、自分にとって何が一番大事かを考えながら転職先を探すことをおすすめします。